2018 年 72 巻 1 号 p. 225-232
本研究ではセメント硬化体の炭酸化機構、特に実環境と促進環境のプロセスの違いを検討した。CHとC-S-Hを炭酸化対象とし、それらの溶解度積から、実環境ではCO2の供給が緩やかなため、まずCHが炭酸化しその後C-S-Hが炭酸化し、ともに消費されるとフロントが前進する。一方促進環境ではCO2の供給が速いため、CHおよびC-S-Hともに炭酸化し、粒径の細かいC-S-Hが炭酸化してしまうと、未炭酸化のCHを残したまま炭酸化フロントは前進する、と考えた。この考えに基づき高炉スラグ微粉末の置換率および養生条件を変えたモルタルの中性化速度係数を求めたところ、水和物が含むCaO量とよい相関があることが分かった。