セメント・コンクリート論文集
Online ISSN : 2187-3313
Print ISSN : 0916-3182
ISSN-L : 0916-3182
セメント化学
異なる条件で乾燥したMg・アルカリ添加型1.4nmトバモライトの結晶構造および凝集体構造に関する検討
加藤 福將斎藤 豪松井 久仁雄佐伯 竜彦
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 73 巻 1 号 p. 10-17

詳細
抄録

本研究ではMgやアルカリを添加して合成した1.4nmトバモライトの構造変化に着目し、乾燥条件が与える影響について検討するために80℃の水和反応後にRH=11~88%で長期乾燥した試料の分析を行った。その結果、高RH条件下で不安定であった1.4nmトバモライトの構造がRH=11%においては安定化し、結晶性の向上が示された。また各条件で乾燥した試料に共通して1.4nmトバモライトは前処理乾燥により層間が1.1nmへと変化するものの、N2吸着等温線は全く異なる挙動を示し、メソポア、マクロポア領域における凝集体構造の明瞭な違いが生じることがわかった。また、MgOは80℃養生により1.4nmトバモライトの生成を促進し、Mgはトバモライト層間のSi鎖を架橋するものと考察した。

著者関連情報
© 一般社団法人セメント協会
前の記事 次の記事
feedback
Top