セメント・コンクリート論文集
Online ISSN : 2187-3313
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セメント系新材料
少量混合成分とアルミネート相を増量したセメントの設計開発~その4 少量混合成分と水和生成物の関係~
松澤 一輝森 泰一郎黒川 大亮坂井 悦郎
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2020 年 74 巻 1 号 p. 380-387

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抄録

セメント産業におけるCO2削減と廃棄物利用の両立を目的に、C3SとC3Aの量を調整した基材セメントに少量混合成分を10%混合したセメントを設計し、水和生成物を検討した。材齢に依らずFAの代わりにBFSを混合した方が、モノサルフェートは生成しやすくエトリンガイトは生成しにくい。材齢に依らずC3SとC3Aを多く含む基材の方が、モノサルフェートは生成しやすくエトリンガイトは生成しにくい。C3SとC3Aが多い基材を用いた際、10%の少量混合成分の内5.0%をLSPにすれば材齢7日でエトリンガイトは残存してモノサルフェートは生成しない。C-A-S-HのAl/Si比やCa/(Si+Al)比は基材組成に依らないが、BFSやFAが多いとAl/Si比は高くてCa/(Si+Al)比は低く、LSPが多いとAl/Si比は低くてCa/(Si+Al)比は高い。

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© 一般社団法人セメント協会
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