セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
長期間の調湿による低熱ポルトランドセメントを用いたセメント硬化体の空隙構造変化に関する検討
瀬川 実暉後藤 壮栗原 諒丸山 一平
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2021 年 75 巻 1 号 p. 152-159

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抄録

本研究は、相対湿度11、33、40、50、75、95%で長期間の調湿を行った低熱ポルトランドセメントを用いたセメント硬化体において、水蒸気吸着試験および1H-NMR Relaxometryの測定により調湿条件による空隙構造の変化について検討した。水分量と比表面積は測定方法により値は大きく異なるものの乾燥による減少傾向がみられた。二つの測定方法による比表面積は、仮定している形が異なり、水蒸気吸着試験はC-S-Hの凝集構造の外側、1H-NMR RelaxometryではC-S-Hの全体構造をみているが、両者の比表面積の変化はどちらも乾燥によるC-S-Hの収縮に起因していると考えられる。

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© 一般社団法人セメント協会
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