日本地震工学会論文集
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論文
東北地方太平洋沖地震時の非線形地盤応答の簡易指標による評価
野口 科子佐藤 浩章笹谷 努
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2016 年 16 巻 4 号 p. 4_93-4_105

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抄録
2011年東北地方太平洋沖地震の際に強震動に見舞われた3箇所のボアホール強震観測点について、東北沖地震本震とその前後数年間の地盤応答特性の経時変化を、地盤の非線形応答の簡易的な定量的指標DNLを用いて調べた。3箇所共に本震時には強い非線形応答がみられた。本震の際の最大加速度が共に1 Gを超えたMYGH10とTCGH16では、本震後のDNL値の低下やスペクトル比の回復においてMYGH10の方がTCGH16より早かった。これは地盤構造の違いに起因すると考えられる。また、最大加速度は上記2箇所より小さいが、本震時にスパイク状の波形が観測されたFKSH14は、TCGH16と同様に本震後のDNL値の低下やスペクトル比の回復が遅かった。この2箇所の地盤応答特性は、3年近く後の2014年末でも本震前の状態に完全には戻っていない。この結果は、当該地点での地盤構造が、本震前の地盤構造とは異なる状態のままであることを示唆する。以上の検討に基づき、強震動予測において重要となる地盤応答特性の地震動レベルによる変化とその回復を大量・長期間のデータを用いて定性的ながら簡便に求める手法として、DNLの有効性が確認された。
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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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