2023 年 77 巻 1 号 p. 181-188
電波干渉による通信障害を防ぐため、建築物での大量使用に適した、作製が容易で安価な平板形状の広帯域電波吸収体が求められる。そこで、電気炉酸化スラグと発泡スチロールビーズを骨材としたモルタルを硬化前に加振して広帯域電波吸収体を作製する。本研究では骨材である電気炉酸化スラグと発泡スチロールビーズの混合比を変更することでフロー値、骨材分布の状況および電波吸収性能に及ぼす影響を明らかにする。これにより、測定の範囲内において発泡スチロールビーズの割合を増加することで、モルタルのフロー値が低くても加振時に骨材が流動しやすくなるため、より低い水セメント比で広帯域電波吸収体が作製できる可能性があると分かった。