セメント硬化体および石灰砂を用いたモルタル、川砂を用いたモルタルを対象に100℃から1000℃まで昇温する過程の、鉱物組成の変化と相転移について検討した。粉末X線回折法、熱重量分析、熱膨張計の結果をもとに、骨材の有無や骨材の種類が、加熱中のセメント硬化体の鉱物組成や相転移に対して与える影響について考察を行った。C-S-Hが分解するとβ-C2Sおよびβ-Wollastoniteが生成し、β-C2Sは700℃を超えるとα’L-C2Sに相転移すること、川砂を用いたモルタルではセメント硬化体よりも、980℃時点でのβ-Wollastoniteのα’L-C2Sに対する質量割合が高いことを確認した。この結果から川砂を用いたモルタルでは、加熱によって骨材中のSi成分が、C-S-Hからα’L-C2Sおよびβ-Wollastoniteへの反応過程で消費されていると考えられた。