2015 年 2015 巻 120 号 p. 47-52
チャのハマキガ類の寄生性天敵であるキイロタマゴバチ類の発生状況調査における黄色粘着トラップの利用可能性を検討するため,茶園の摘採面上とうね間を設置場所として吸引粘着トラップでの捕獲数との比較を行った。
その結果,調査期間中におけるキイロタマゴバチ類のトラップ1台あたりの合計捕獲数は,吸引粘着トラップが1184.5 (設置トラップ数2;トラップの粘着面積400cm2) に対し,黄色粘着トラップでは243.8 (設置トラップ数12;トラップの粘着面積200cm2) であった。また,黄色粘着トラップによるキイロタマゴバチ類の単位面積あたりの捕獲数は,吸引粘着トラップの41%であった。黄色粘着トラップによるキイロタマゴバチ類の捕獲消長は,摘採面,うね間および両者の平均値において吸引粘着トラップによる捕獲消長とよく一致した。以上のことから, 吸引粘着トラップの代わりに黄色粘着トラップを用いてキイロタマゴバチ類の発生状況を調査できることが示唆された。