熱画像によりチャ樹冠面温度を客観的に評価する方法を検討した。また,鹿児島県主要チャ品種の夏期における樹冠面温度を測定するとともに,樹冠面温度と水ストレスの関係やチャ品種による灌水効果について検討した。
チャ樹冠面温度測定では,黒球温度計を参照にすれば,異なる茶園で葉温の比較ができた。茶品種8つの盛夏期の樹冠面温度を計測し,水ストレスが著しい品種は樹冠面温度が高かった。夏期の樹冠面温度が高く,水ストレスが大きい茶品種‘やぶきた,かなやみどり’では,干ばつ年で灌水効果が高かった。盛夏期に水ストレスを受けている茶園を樹冠面温度から判別し、そこへ優先的に灌水することによってその後の生育を促進させ,干ばつによる悪影響を軽減できると考えられる。