1954 年 1954 巻 4 号 p. 43-46
葉たばこで実験した赤池重男氏の電導度の測定による品質の鑑定は,茶の品質について,特に困難と考えられていた滋味鑑別の科学的な根拠として利用できるように思われたので,実験を行つた。その結果は,限られた試料のため結論を出すまでに至らなかつたが,浸出液の濃度や滋味とは相当潔い関係があることがわかつた。これがため電導度は,茶の品質の研究に当つて,有効な因子として利用できる可能性も大きいように思われた。
なお,この実験は秦野たばこ試験場の御好意と御協力殊に終始御指薄を賜わつた赤池重男氏によるところが大きく,ここに記し厚く御礼申上げると共に,助力せる製茶第一研究室員諸氏の労も多とし感謝する。