1954 年 1954 巻 4 号 p. 6-9
茶葉細胞の水及び溶質に射する透過性の測定が,耐寒性の検定法として利用できるかどうかを知るために,一,二の実験を行つた。
1.耐寒性の強弱と水及び溶質透過性の大小とはよく一致し,耐寒性の強い品種ほど原形質復帰に要する時間は少い。
2.滲透価は低いにかかわらず,耐寒性の強い3倍体品種の透過性を測定すると,2倍体品種に比較して滲透価の割に復帰に要する時間は短い。
3.簡易な透過性の測定法として,やぶきたを基準とした一定濃度の溶液に一定時間浸漬して,その復帰度合を調べることによつて耐寒程度を検定することができる。
このように本法は相当確実な耐寒性の検定法として利用しうるものと考えられる。