茶業研究報告
Online ISSN : 1883-941X
Print ISSN : 0366-6190
ISSN-L : 0366-6190
畑地除草剤に関する研究(第2報)
福村 秀一梶木 貞義志礼 治
著者情報
ジャーナル フリー

1954 年 1954 巻 4 号 p. 9-14

詳細
抄録

1.各種除草剤の効果を比較試験した。
2.カラスビシャクは地下に球茎を持つ多年生草木であるため,地下部が枯死しても,球茎の枯死せぬ限り新芽が再生する。地上部を枯死させるには,デグラス,2,4-D(アミン),亜砒酸,フェニール酢酸水銀,ロダンアンモンは2,4-D(ソーダ塩)よりも効果が大きかつた。球茎を枯死させるには,最も効果のあつた2,4-D(アミン)で,反当29kgの撒布で53.33%の殺滅率であつた。しかしこの使用量は経済的でない。他の除草剤ではあまり効果力蔭なかつた。
3.茶樹(4年生分生樹)に対する除草剤の使用限界は反当11kgで,2,4-D(ソーダ塩),M.C.P,ロダンアンモン,X.L283は被害を生じ,特に前二者では枯死するものがある。他のクロレートソーダ,デグラス,塩素酸カリ,亜砒酸及びWeedone crsb grass killerは無害であつた。
4.茶幼苗圃へのデグラスの撒布は2.1kgで30%も枯死した。即ち幼苗圃の雑草防除にデグラスの使用は困難のように思われる。
5.大根を用いての除草剤の薬害及び残効を発芽数,茎長,根重,新鮮重について調査した結果,2,4-D,M.C.P及びX.L283を除く,クロレートソーダ,デグラス,D.K,ロダンアンモン,亜砒酸,フェニール塩化水銀,塩素酸カリ,フェニール酢酸水銀及びWee〓one crab grass killerは除草剤撒布後10日になれは,薬害が認められない。

著者関連情報
© 日本茶業技術協会
前の記事 次の記事
feedback
Top