茶業研究報告
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茶におけるEPNのResidueについて
玉木 佳男
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1961 年 1961 巻 17 号 p. 32-36

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抄録

1.Averell-Norris法を茶に適するように若干改良し,茶におけるEPNの残留量の分析を行なった。本法によるEPNの回収率は96%であり誤差は3%であった。
2.一,二,三番茶の各期についてEPN散布後の経過日数と,生葉および蒸熱乾燥葉中の残留EPNとの関係を調べたところ,その減少速度は各茶期によって異なっていたがいずれも散布3週間後には3ppm以下に減少していた。
3.EPNの蒸熱乾燥操作による減少率は一定ではなく,生葉中の量の多いときは減少率もかなり大であるが(乾物中166.3ppmに対し29.7%),量が少ないときには減少率も小さい(乾物中3.3ppmに対し6.1%)ことが認められた。
4.蒸熱乾燥葉から熱湯で浸出されるEPNの量は通常の飲用時の浸出条件では非常に少なく2.0~4.6%程度であった。
5.これらの結果から,EPNを茶に使用する場合には,散布後3週間以上経過したのちに摘採,製造を行なえば安全であると考えられる。

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