1971 年 1971 巻 35 号 p. 53-56
短期間の水耕法により幼茶樹による86Rbの吸収について調べた結果を要約するとつぎのとおりである。
1.ラジオ・オートグラフによれば86Rbは葉身よりも葉脈に多く吸収されることが認められた。
2.各部位による86Rbの吸収量は細根>幹>若枝>古葉>新葉順であった。
3.培養液中のRbCl濃度を0.5me/l(3,0μCi)とし,カリウム濃度を増加(0,2.5,5.0,10.0および20,0me/l)すると新葉,若枝および古葉中の86Rb吸収量は増加したが,細根では減少した。
9.培養液中のRbCl濃度を5.0me/l(7,5μCi)とし,マグネシウム濃度を増加(0,5.0,20.0me/l)すると,各部位の86Rbの吸収量は増加した。しかし,増加する割合は若枝,根に比べて新葉および古葉のほうが低かった。