茶の新しい用途を開発することを目標に,茶の水溶性成分の植物ウイルスに対する抑制作用を,1966~1968年にわたって実験した。
供試したウイルスはTMV,CMVの2種類で,宿主植物はTMVにホウズキ,タバコブライトエロ-4号,トマトそれにグルチノーザタバコを,CMVにはタバコKY-57とササゲ2品種(三尺ササゲ,十六ササゲ)である。
その結果,TMVの全身感染に対する実験では,7区のうち抑制作用がわずかながら認められたものは,遊離型カテキン,カテキンMix,それに抽出液の3区であった。また,CMVの実験では7区のうち,遊離型カテキンとカテキンMixの2区であった。
局部感染に対する効果は,TMV,CMVともに5区ずつに処理したが,無処理区に対し,処理したものはいずれも病班数が少ない傾向が認められた。