茶業研究報告
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土壌中におけるチャ有機物の分解と茶樹による窒素の再吸収
保科 次雄香西 修治本荘 吉男
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1982 年 1982 巻 55 号 p. 30-36

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抄録
茶園の物質循環,とくに窒素循環において,落葉や整せん枝葉などの役割は大ぎい。そこで,落葉および整せん枝量の調査,チャ有機物の無機化に及ぼす諸要因の影響および無機化して土壌中に含まれる窒素の茶樹による再吸収について実験を行った。
1落葉および整せん枝葉量は,乾物量5~12t/ha/y,窒素量150~320kgN/ha/yであった。
2茶葉中の窒素の無機化に及ぼす諸要因について,温度は高いほど(35℃>15℃>3℃),土壌pHは高い方が(pH6.7>pH4.5)無機化が促進された。また,土壌表面より土壌中におかれた茶葉の方が分解が速やかだった。
3チャ有機物に含まれる窒素の無機化は器官によって差異があり,枝,幹などの炭素率(C/N比)の高いものが無機化は遅く,C/N比が低い新葉のほうが速かった。しかし,細根や小根は古葉よりC/N比が高かったが,無機化速度は古葉よりも速かった。これは,C/N比だけでなく,炭素および窒素の質的なものが窒素の無機化に影響しているものと考えられ,とくに水溶性窒素/全窒素(W-TN/T-N)比の高いものが無機化率は速いものと考えられた。
4 15N含有のチャ有機物をポットに施用し,茶樹による窒素の再吸収を測定した。チャ有機物中の窒素の再利用率は,小根,細根ついで新葉が高く,古葉は低かった。
なお,本報告文をまとめるに当たり,ご懇切なるご指導を賜った茶業試験場枕崎支場土壌肥料研究室長小菅伸郎博士ならびに同本場土壌肥料研究室長石垣幸三博士に深甚なる謝意を表する。
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© 日本茶業技術協会
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