茶業研究報告
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有機物の長期連用が茶園土壌の理化学性および茶樹におよぼす影響
古賀 亮太井手 勉中島 征志郎永尾 嘉孝石井 研至
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1992 年 1992 巻 75 号 p. 1-11

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抄録

茶園における有機物資材の長期連用が,土壌の理化学性ならびに茶の収量,品質に及ぼす影響を検討した。
(1) 有機物の施用によって14年間に,全炭素含量が1.5~3倍,全窒素含量が1.3~2倍,陽イオン交換容量が1.2~1.6倍に増加した。しかし,土壌pHならびに有効態リン酸には有機物施用の効果は明らかでなかった。
(2) 有機物資材の中では,稲ワラは速効的で早期に効果を発現し,収量,品質が向上した。
(3) 野草(ススキ)は分解が遅いために非常に遅効的で,投入後10年以上を経て稲ワラと同等の効果を現し,その後は効果が増大する傾向が見られた。
(4) 牛糞厩肥は速効的であり,土壌理化学性の改善,茶品質の向上には最も効果が高かった。しかし,本試験では収量の増加は少なかった。
(5) 肥料の種類では,有機配合肥料の方が収量,品質ともにやや優れた。

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