茶業研究報告
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茶園土壌の微生物相に及ぼすスミチオン乳剤の影響
早津 雅仁徳田 進一中島田 誠
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1992 年 1992 巻 76 号 p. 21-26

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抄録

茶園土壌の微生物に及ぼすスミチオンの影響について検討した。茶園うね間から採取した土壌にスミチオン乳剤を有効成分量で0,50,100,500ppmになるように加え,その影響を調べた。いずれのスミチオン濃度においても,微生物数,硝酸化成能,アンモニア化成能,尿素分解能及び土壌呼吸の阻害は認められなかった。このことから防除基準の範囲内(スミチオン乳剤70の2000~4000倍希釈液を1m2当り5l散布)におけるスミチオン乳剤の使用は茶園土壌の微生物に影響を与えないと考えられた。
スミチオンの連用による分解能の促進現象について実験室レベルで検討した。スミチオンの継続的な散布により土壌のスミチオン分解能が著しく高くなった。これらの結果から,茶園土壌においても継続的な散布が行われると,スミチオン分解能の加速が起こりうることが示された。したがって,防除効果の面からは土壌潅中の乱用は避ける必要がある。

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