茶業研究報告
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チャ主要品種'やぶきた'における一番茶新芽の生育と積算気温との関係
近藤 知義
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2004 年 2004 巻 97 号 p. 39-47

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抄録

本研究では,気象要因のなかでも比較的調査が容易な日平均気温(最高気温と最低気温の中央値)から求めた積算気温による生育予測方法を検討するため,作況調査の生育調査データに基づき,チャ主要品種やぶきた'における一番茶新芽の生育と積算気温との関係を調査した。
1) 一番茶萌芽期までの積算気温は,3月10日を起算日とした場合に,年次間差が226.5~275.5℃と最も小さくなり,その温度は256.5℃であることがわかった。また,一番茶萌芽期から一番茶摘採日までの積算気温は,360.3~479.0℃でみられ,分布がやや広かった。
2) 新芽長,開葉数及び出開き度と一番茶萌芽期からの積算気温との関係では,開葉数が最も積算気温との関係が強いことが明らかとなった。そして,一番茶萌芽期からの積算気温(X)を説明変数,開葉数(Y)を目的変数とした単回帰式Y=0.011X-0.8522が得られた。新芽の形質等が異なる5つの茶園において,この単回帰式による葉数予測を行ったところ,中切り更新などの深く整枝を行った茶園,及び出開き度が90%を超えた場合を除いて,予測値と実測値はほぼ一致することがわかった。

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