CHEMOTHERAPY
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Ceftazidimeの基礎的・臨床的検討
栗村 統佐々木 英夫荒谷 義彦金藤 英二村井 知也野崎 公敏小坂 勤丸山 泰助竹本 親生森藤 明谷川 清澄土井 秀之田村 偉久夫下中 秋子横田 和子
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1983 年 31 巻 Supplement3 号 p. 399-406

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抄録
臨床分離グラム陽性球菌ならびにグラム陰性桿菌に対するCAZの抗菌力を, CEZ, CPZおよびCTXと比較検討した。PseudomonasについてはCFSも加えて検討した。
S. aureusに対しては, CAZは他の3剤に比べて抗菌力は弱かった。α-Streptococcusに対しては, CAZはCEZおよびCPZとほぼ同じ抗菌力を示したが, CTXよりは弱かった。
E. coli, Shigella, Salmonella, K. Pneumoniae, CitrobacterおよびEnterobacterに対してCAZは, CPZおよびCTXと同様強い抗菌力を示した。Serratiaに対しては, CAZが最も優れていた。Proteusに対する抗菌力は, CTXよりも劣ったが, そのMICは0.05μg/mlから0.78μg/mlに分布した。P. aeruginosaおよびP. cepaciarc対しては, CAZの抗菌力はCFSよりも優れていた。
CAZを呼吸器感染症5例, 尿路感染症2例および亜急性細菌性心内膜炎1例, 計8例に投与した。著効1例, 有効6例, 無効1例であった。無効例はS. pneumoniaeによる大葉性肺炎の例である。
副作用としてはtransaminase値の上昇を伴って, 全身に癌痒性の発疹が出現した例が1例みられた。
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© 社団法人日本化学療法学会
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