CHEMOTHERAPY
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セフェム系抗生剤セフブペラゾン (CBPZ) の好中球NBT還元率, リゾチーム活性および抗体産生能に与える影響
鈴木 宗司八木田 旭邦緒方 幸雄
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1989 年 37 巻 4 号 p. 433-439

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抄録

セブブペラゾンcefbuperazone (CBPZ) の大腸菌E.coli (KC-14) 感染治療実験で今回は本剤による好中球の殺菌活性の変動をNBT還元能を指標として, また血清中のリゾチーム濃度の変動などを中心にCBPZのそれらに与える影響を検討し, 以下の結果を得た。
マウスにKC-14を感染させ, 1時間後に最小治癒量 (0.1mg/mouse) またはそれ以上の用量のCBPZを皮下に投与した場合, 用量に応じて4時間から8時間後の期間内にNBT還元能およびリゾチーム濃度が最高に増大し, その後漸次低下, 24時間後には元の正常域に戻った。この増大現象は正常マウスにCBPZを投与した場合にも同様の結果が得られた。さらにin vitroにおいてもCBPZ1.0~10μg/mlの濃度においてNBT還元能の増大が認められたことよりCBPZには好中球のNBT還元能および血清リゾチーム濃度の増大を促進する活性作用のあることが判明した。
またCBPZ投与群のマウス血清の抗菌作用を調べた結果, 投与15時間後に至ってもその作用 (0.1mg/mouse) は残存していた。
他方, 羊赤血球を抗原としてCBPZの抗体産生能に及ぼす影響についてCUNNINGHAM法を用いて検討した結果, CBPZの0.1mg/mouse濃度においても抗体産生促進作用が認められた。

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