目的: Lomefloxacin (NY198) とnorfloxacin (NFLX) を二重盲検法により比較検討する。
方法: 第1群 (毛包炎, ポックハルト膿痂疹, 尋常性毛瘡), 第II群 (節, 節腫症, よう.急性爪囲炎), 第III群 (伝染性膿痂疹), 第IV群 (丹毒, 蜂巣炎, リンパ管・節炎), 第V群 (皮下膿瘍, 化膿性汗腺炎, 感染性粉瘤), 第VI群 (急性二次感染) と群別し, 16歳以上を対象とした。NY 198, またはNFLXを1回200mg朝, 昼, 夜, 服用とし, 第I~IV群, VI群では7日間, 第V群では10日間服薬とした。
結果: 解析対象症例は, 有効性につきNY198群132例, NFLX群127例, 安全性につきNY 198群144例, NFLX群135例.有用性につきNY198群134例, NFLX群128例てあった。最終全般改善度での有効率はNY198群79.5%, NFLX群72.496, 概括安全度での安全率 (ほぼ安全以上) はNY198群97.9%, NFLX群96.3%, 副作用発現率はNY198群4.2%, NFLX群3.7%, 臨床検査値異常発現率 (評価対象例数NY198群113例, NFLX群102例) はNYI98群5.3%, NFLX群9.8%, 有用率はNY198群76.1%, NFLX群71.1%であり, いずれも両群間に有意差は認められなかった。疾患別最終全般改善度の有効率は第I群, 第III群でそれぞれNY198群85.7%, 100%.NFLX群64.3%6, 75.0%であったが, いずれも有意差は認められなかった。細菌学的効果での菌消失率はNY198群82.3%, NFLX群64.6%(有意確率0.013), 分離菌別にみると黄色ブドウ球菌 (単独検出症例) で菌消失率はNY198群80.6%, NFLX群608%(有意確率0.062) であった。
結論: 浅在性化膿性疾患の治療においてNY198はNFLXに比し, やや優れた薬剤であると思われる。
抄録全体を表示