日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacinの固相に付着した細菌に対するin vitro抗菌力
三宅 洋一郎杉中 秀壽藤原 政治碓井 亞
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 66-71

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抄録

バイオフでルムを形成した細菌が多くの抗菌薬に対し著しく抵抗性になることはよく知られている。また, バイオフギルムを形成する以前の単に固相に付着した細菌も抗菌薬の殺菌作用に抵抗性を示す, 従って, 抗菌薬の評価を行う場合付着した細菌に対する抗菌力をも測定する必要がある。そこで, 新しく開発されたキノロン系抗菌薬pazufloxacin/PZFX) の固相に付着した細菌に対する抗菌力の測定をofloxacin (OFL.X), ciprofloxacin (CPFx) およびtosunomcin (TFLX) を対照に用いて行った。
PZFXはStaphylococcus aureusに対し極めて低いMICAD (付着した状態での最小発育阻止濃度 (MIC)) およびMBCAD (付着した状態での最小殺菌濃度 (MBC)) を示し, Staphylococcus epidermidtsに対してはTFLXより劣るもののCPFX, OFLXと同等あるいは優れたMIUおよびMBCやを示した。
Pseitdomonas aeruginosuに対しPZFXはMICADではCPFXに劣るもののMBCADではCPFX, OFLXより低い値を示した。Escherithia coliに対してはTFLXと同等で, CPFXおよびOFLXより低いNIBCADを示した。
以上の結果はPZFXが付着した細菌にも有効なキノロン薬であることを強く示唆している。

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