日本化学療法学会雑誌
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Ritipenem acoxilの呼吸器感染症に対する臨床的有用性の検討
沖本 二郎吉田 耕一郎中島 正光二木 芳人副島 林造
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キーワード: 抗菌力, 呼吸器感染症
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1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 160-164

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抄録
新しい経口ペネム系抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) について, 呼吸器感染症に対する効果を細菌学的および臨床的に検討し, 以下の成績を得た。
1) 臨床分離Staphylococcus aureusに対するMICは, imipenem/cilastatin Na (IPM/CS) に次ぐもので, cefotiam (CTM), cefixime (CFIX), cefpodoxime (CPDX) およびampicillin (ABPC) より優れた抗菌力を有していた。Streptococcus pneumoniae, Klebsiella pneumoniae, Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhallsに対しても優れた抗菌力を示したが, methicillin-resistant Staphylococcus aureus, Pseudomonas aeruginosaに対するMICは他剤と同様に高値を示した。
2) 呼吸器感染症12例を対象にRIPM-ACを使用した結果, 対象外疾患であった1例を除き, 臨床効果は著効1例, 有効8例, やや有効1例, 無効1例で有効率は81.8%であった。随伴症状を認めた症例はなかったが, 2例にS-GOTの軽度上昇を認めた。
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