日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
Print ISSN : 1340-7007
ISSN-L : 1340-7007
呼吸器感染症に対するcefluprenamの臨床的検討
三笠 桂一澤木 政好古西 満前田 光一浜田 薫竹内 章治坂本 正洋辻本 正之森 啓寺本 正治国松 幹和成田 亘啓
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 43 巻 Supplement4 号 p. 307-309

詳細
抄録

呼吸器感染症8例に対し, cefluprenamの有用性を検討した。疾患は気管支肺炎4例, 急性気管支炎2例, 気管支拡張症1例, 感染を伴った肺嚢胞症1例である。起炎菌の検出は経気管吸引法 (Transtrachealaspiration: TTA) で行い, 12菌種13株が検出された。単独菌検出は5例, 複数菌検出は3例で菌別にはHaemophilus influenzae2株, Streptococcus pneumoniae, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosa各1株などであった。投与方法は1日2gを2回に分けて, 6~11日間点滴静注した。臨床効果は, 有効6例, やや有効2例であった。細菌学的効果は, P.aeruginosa1株を除いて他は全て除菌できた。副作用は1例に発疹, 臨床検査値異常は白血球数の減少・LDHおよびGOT・γ-GTPの上昇が各1例に認められたが, いずれも軽度であった。以上より, 呼吸器感染症における本剤の有用性が示唆された。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top