新しく開発された注射用セファロスポリン系抗生物質cefluprenam (CFLP) を呼吸器感染症6例に使用し, その有効性および安全性について検討した。対象は細菌性肺炎5例, 気管支拡張症の急性増悪1例であった。投与量はCFLPを1回1g, 1日2回の点滴静注で, 3~14日間の投与期間であった。投与後好酸球性肺炎と判明し, 効果判定から除外した1例を除いた呼吸器感染症5例に対する臨床効果は, 著効1例, 有効2例, やや有効1例, 無効1例で有効以上は3/5であった。起炎菌判明例は2例で, Pseudomonas aeruginosaが残存し, Haemophilus influenzaeは除菌された。副作用は認められず, 臨床検査値の異常変動は, 好酸球の増多, BUNの上昇が1例に認められたが, いずれも軽度であった。