日本化学療法学会雑誌
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外科領域におけるcefluprenamの臨床成績
山田 良成斉藤 敏明
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1995 年 43 巻 Supplement4 号 p. 383-386

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抄録

我々は新しく開発された注射用セフェム系抗生物質であるcefluprenam (CFLP) について外科領域感染症における有効性, 安全性の臨床的検討を行った。対象例は7例で男性6例, 女性1例, 年齢は17歳から74歳であり, 急性胆嚢炎2例, うち1例は敗血症を合併, 穿孔性虫垂炎に合併した腹膜炎2例, 回盲部膿瘍1例 (計3例), 腹直筋膿瘍1例, 敗血症疑い1例であった。投与方法は原則的に1回1gを1日2回点滴静注とし, 投与期間は4~14日間であった。細菌学的効果は5例から分離同定された10株のうちグラム陽性球菌3株, グラム陰性桿菌2株, 嫌気性菌2株がすべて消失した。臨床効果は著効1例, 有効5例で有効以上は6例であった。副作用は発疹が1例に認められたが, 投与終了時であり, 軽度であったので経過観察のみで消退した。臨床検査値異常はGPTの軽度上昇を1例に認めた。

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