1996 年 44 巻 2 号 p. 96-99
60歳の男性で, 両側肺転移と頸部リンパ節転移を有する食道・胃重複癌症例に対し, cisplatin, etoposide, 5-fluorouracil併用 (PEF) 療法を行った。Cisplatin (50mg/m2) とetoposide (100mg/m2) は2週間毎に計8回, 同時に点滴静注投与し, 5-fluorouracilは300mg/m2/dayを計105日間持続点滴静注した。Cisplatin, etoposide2回投与後より, 肺および頸部転移巣だけでなく, 食道と胃の原発巣も著明に縮小し, 7か月間にわたって効果が持続した。酬作用としては, 食欲不振, 脱毛, 白血球減少を認めたが, いずれも軽度で一過性であった。