日本化学療法学会雑誌
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Garenoxacinとtheophyllineとの併用試験
二木 芳人吉田 耕一郎
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2007 年 55 巻 Supplement1 号 p. 206-213

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抄録

新しい経口キノロン系合成抗菌薬garenoxacin mesilate hydrate (GRNX) のtheophylline薬物動態に及ぼす影響を, 9名の健康成人男子被験者を対象に検討した。
Theophylline400mg (分2) を投与4日目まで単独投与し, 投与5日目から11日目までGRNX400mg (朝1回内服) を併用投与し, 投与4日目, 8日目 (併用4日目) および11日目 (併用7日目) の血漿中theophyllineおよびGRNX濃度推移, 薬物動態パラメータ (CmaxおよびAUC) の幾何平均の比とその90%信頼区間を求め, 併用による影響を検討した。
投与8日目および11日目の血漿中theophylline濃度は投与4日目に比べてともに約20%高く推移した。投与4日目に対する11日目の比の幾何平均はCmaxで1.18, AUC0-10では1.19, その90%信頼区間は, Cmaxで1.02~1.37, AUC0-10では1.03~1.37であった。また, 投与4日目に対する8日目の比の幾何平均はCmaxで1.18, AUC0-10では1.19, その90%信頼区間は, Cmaxで1.02~1.36, AUC0-10では1.02~1.39と11日目の比と同様であった。なお, 投与8日目および11日目のGRNX血漿中濃度はほぼ同様に推移し, 薬物動態パラメータも差がなかった。
本試験中, 5名の被験者に7件の有害事象が, いずれも併用投与時に発現した。副作用は, 下痢 (2名に2件) と腹痛 (1名に1件) がみられたが, いずれも軽度で無処置にて消失した。
以上, GRNXはtheophyllineとの併用でその血漿中濃度を約20%上昇させることがわかった。両薬剤を併用する際, GRNXの投与量の調整は不要と考えられるがtheophyllineを点滴等により高用量併用する場合には注意を要すると思われる。

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