地学教育
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教育実践論文
気象庁59型地震計波形記録を用いた波形教材
岡本 義雄古田 佐代子廣田 伸之佐藤 雄亮
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2017 年 69 巻 3 号 p. 125-137

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抄録

気象庁59型地震計は気象庁の主力地震計であった.われわれはこの地震計の波形記録を用いた教材を開発した.その目的は,記録波形を用いた,震央の推定,マグニチュードの推定,波形の観察などである.59型地震計記録を用いることの利点は,変位記録であることで地動との対比がしやすい,100倍の変位倍率と1 mm/secの送り速度は実際のスケールに換算がしやすい,などである.波形を収集するときの要点は,坪井の式が使える浅い地震であること,マグニチュードの推定に使えるように飽和して(振り切れて)いないこと,初期微動継続時間や最大振幅が容易に読めること,震央を取り囲むような観測点配置になっていることなどである.教材は,地震波形,実習シート,マグニチュード計算用のノモグラムからなっている.これにより生徒は容易に地震計記録や地震について学ぶことができる.生徒・学生の読み取りの精度も度数分布により評価した.

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© 2017 日本地学教育学会
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