抄録
畜産系学科においては野生動物や伴侶動物を含めて人と動物とのかかわりを学びたいとする学生が増えている.これに対してどのような教育プログラムを提供すれば学生の意欲と就業機会が増すことにつながるのか,野生動物との関わりを中心として入学時点における学生の情報量,教学内容,進路の可能性について検討した.入学前の情報源としてはテレビ番組の影響が大きかった.畜産系学科では野生動物に関する科目はほとんどの大学で採り入れられていたが,伴侶動物に関する取り組みは弱かった.野生動物関連の職業イメージは動物園や研究職など一部職種に集中しており,職業実態が理解されていないことからの誤解もある.野生動物関連職業への就業について選択肢を広げるための指導が必要である.畜産学と野生動物学との間には更なる連携の可能性があり,過放牧をはじめとする地球環境保全に対する畜産学分野からの貢献も望まれる.