抄録
肥育牛の脂肪交雑を生体で客観的に推定するために,脂肪交雑基準(BMSナンバー)ごとの超音波診断画像の特性を画像特徴量として評価し,枝肉のBMSナンバーとの比較を行った.出荷直前の黒毛和種肥育牛56頭を,測定位置を胸最長筋と周辺組織との位置関係により決定して超音波測定したところ,枝肉実測値との間に胸最長筋面積で0.98(P < 0.01)の相関係数が得られた.この超音波診断画像の特定領域をテクスチャー解析して画像特徴量を算出し,BMSナンバーとの関係を比較したところ,胸最長筋領域の画像特性と肉質との間に非線形的相関が見られ,同一画像上における胸最長筋と周辺領域との画像特徴量は異なる傾向が見られた.このことから,胸最長筋と僧帽筋との画像特徴量の差分および胸最長筋面積を説明変数,BMSナンバーを目的変数として重回帰分析を行ったところ,重相関係数0.75(P < 0.01)が得られ,超音波診断における肉質の客観的推定が可能であることが証明された.