日本畜産学会報
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一般論文(原著)
野生イノシシの胸最長筋および皮下脂肪の品質に及ぼす捕獲時期と性の影響
石塚 譲因野 要一西岡 輝美上脇 昭範入江 正和
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2009 年 80 巻 2 号 p. 199-206

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抄録

野生イノシシにおける最長筋の一般成分,α-トコフェロールおよび色調,大腿二頭筋のα-トコフェロール,皮下脂肪の厚さおよび脂肪酸組成について捕獲時期と性の影響を検討した.最長筋において水分含量と粗脂肪含量は狩猟期で高く(P < 0.05),粗タンパク質含量は非狩猟期で高かった(P < 0.01).また,粗脂肪含量はいずれの時期,性でも1%以下であった.α-トコフェロール含量は非狩猟期(P < 0.01)ならびに雄(P < 0.05)で高かった.イノシシ肉色調は暗赤色~濃赤色であった.表面色調は切断24時間後でメト化が認められた.皮下脂肪厚は狩猟期で厚かった(P < 0.01).皮下脂肪の飽和脂肪酸割合は非狩猟期で高く(P < 0.05),オレイン酸割合およびモノ不飽和脂肪酸割合(オレイン酸を含む)は狩猟期で高かった(P < 0.01).肉におけるこれらの成分の違いは餌や生息環境に起因するものと考えられた.以上より,野生イノシシにおける肉と脂肪の品質は捕獲時期と性の影響を受けることが分かった.

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© 2009 公益社団法人 日本畜産学会
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