抄録
免疫能選抜系マウスについてベロ毒素暴露実験を行い,体重減少率と免疫応答について系統間の比較を行った.これらの系統は,自然免疫能(N系),獲得免疫能(A系),自然免疫能と獲得免疫能(NA系)を高方向へ11世代選抜した系統と,無選抜系統(C系)の各系統のマウスである.抗病性の指標として,接種後4日間の体重減少率と免疫能の変化を測定した.体重の減少率は系統間で有意差が認められなかった.ベロ毒素接種後,総白血球数,食細胞活性IgA, IgG, IgMは各系統で共通した傾向が認められた.TNF-αはA系とN系では変化しなかったが,C系とNA系では4日目に増加した.選抜系マウスは対照系と比べて総白血球数,食細胞活性,抗体産生能(IgA, IgG, IgM)が一時的に有意に高い値を示し(P<0.05),選抜系統間にも違いがみられた.これらの結果から,免疫能に関する選抜系統が,毒素に対して各々異なる免疫応答を示すことが明らかとなり,免疫応答に関するモデル動物としての有効性が示唆された.