抄録
乳牛の反芻行動は給与飼料の物理性の良否や乳牛の健康状態を知る上で重要な情報源となり得る.本試験では,将来の実用性を考慮し,乳牛の首に装着可能な反芻計測装置を作成し,その精度を評価することを目的とした.実験1では高感度低周波圧力センサを用いた反芻計測装置を試作した.得られたデータを反芻,摂食,非咀嚼行動に分け,ケプストラム法によるスペクトル解析をした結果,反芻時には1.3 Hzおよび2.6 Hzの周波数帯に特徴的なピークが現れることが明らかとなった.その特徴を用いて反芻行動を自動識別するプログラムの開発を行った.実験2では,装置の精度と信頼性を検証するため,フリーストール牛舎およびタイストール牛舎でデータを収集し,本装置と人による行動観察で得られた反芻時間を比較した.実験全体の平均反芻識別正解率は91.1%となり,本装置は乳牛の反芻時間を計測する機器として実用化の可能性が示された.