日本畜産学会報
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一般論文(原著)
泌乳マウスの飲水量と腎機能に及ぼす塩化カリウム給与水準の影響
宿院 享杉本 実紀池田 俊太郎久米 新一
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2014 年 85 巻 4 号 p. 503-507

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抄録

ICR系妊娠マウス18匹を対照区,2%塩化カリウム(KCl)給与区および5%KCl給与区に割り当てて,KCl給与区では交配後6.5日目から分娩14日後まで2%あるいは5%のKClを添加した飼料を給与し,マウスの体重,飼料摂取量,飲水量,腎臓重量,腎組織と血液成分に及ぼすKCl給与水準の影響を調べた.泌乳マウスでは分娩直後から飼料摂取量と飲水量が急増した.妊娠期と泌乳期のマウスの飼料摂取量にはKCl給与の影響は認められなかったが,KCl給与水準の上昇とともに飲水量が増加し,なかでも5%KCl区の泌乳マウスの飲水量が顕著に増加した.泌乳マウスの腎臓重量は5%KCl区で最大であり,血清KとCl濃度はKCl給与区で上昇した.しかし,泌乳マウスの腎組織にはKCl給与の影響は認められなかった.以上の結果から,KCl給与水準が上昇すると泌乳マウスでは飲水量と腎臓重量が増加し,腎臓に多大な負荷を及ぼすことが推察された.

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© 2014 公益社団法人 日本畜産学会
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