日本畜産学会報
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一般論文(原著)
年齢の違いが野生エゾシカ肉の理化学特性および栄養成分に及ぼす影響
岡田 祐季村元 隆行
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2014 年 85 巻 4 号 p. 517-524

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抄録

年齢が野生エゾシカの肉質に及ぼす影響を明らかにするため,年齢が異なるメスの野生エゾシカの3筋肉を用いて理化学特性および栄養成分の検討を行った.背最長筋および大腿二頭筋の剪断力価は年齢による影響を受けなかったが,半膜様筋の剪断力価は3歳が2歳および4歳に比較して高かった.一価不飽和脂肪酸の割合は2歳が3歳および4歳に比較して低く,多価不飽和脂肪酸の割合は2歳が3歳および4歳に比較して高かった.メトミオグロビン割合は,背最長筋および大腿二頭筋では2歳および3歳が展示1日目で,4歳が展示2日目で,また半膜様筋ではすべての年齢が展示1日目で,それぞれ変色の閾値である35%を超えた.背最長筋のタウリン含量は2歳が3歳および4歳に比較して低かった.粗脂肪含量,ドリップロス,クッキングロス,脂肪酸のn-6:n-3,遊離アミノ酸含量,およびカルニチン含量は年齢による影響を受けなかった.

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© 2014 公益社団法人 日本畜産学会
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