日本畜産学会報
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一般論文(原著)
黒毛和種繁殖雌牛の成長ホルモン受容体遺伝子多型が子牛市場体重の直接および母性遺伝効果に及ぼす影響について
高橋 和裕木村 信熙田中 実大久保 武
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2015 年 86 巻 2 号 p. 165-168

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抄録
離乳前の子牛の発育は子牛自身の発育性と母牛の哺育能力に依存し,発育初期の子牛には母牛の哺育能力が非常に重要である.哺育能力に関与する遺伝子が判明されれば,子牛が生産された時点で遺伝的な能力を予測することが可能である.そこで本研究では成長ホルモン受容体遺伝子の肝臓特異的転写制御領域に存在するLINE-1In/Del多型と黒毛和種の直接および母性遺伝効果の育種価との関連性を検討した.直接および母性遺伝効果のそれぞれの育種価はLINE-1配列挿入遺伝子をホモに持つLL型の育種値が13.84kg,4.87kg,LINE-1配列挿入遺伝子と欠損遺伝子をそれぞれ持つLS型の育種値が11.18kg,2.10kg,LINE-1配列欠損遺伝子をホモに持つSS型の育種値が−0.29kg,−8.61kgであり,直接および母性遺伝効果の育種価はともにLL型とSS型,LS型とSS型の間には有意な差が認められた(P<0.01).このことからGHR遺伝子のLINE-1In/Del多型は子牛自身の発育に関する直接遺伝効果ならびに繁殖雌牛の母性遺伝効果の選抜の一指標となる可能性が推察された.
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© 2015 公益社団法人 日本畜産学会
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