日本畜産学会報
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一般論文(原著)
バレイショデンプン粕を主体としたエコフィードサイレージ(EFS)給与が肥育後期豚の発育と肉質に及ぼす影響
劉 永超Badee GHLAILAT日高 智
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2015 年 86 巻 3 号 p. 335-341

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抄録

バレイショデンプン粕を主体としたエコフィードサイレージ(EFS)の豚飼料への有効利用について検討した.平均体重72.8の同一父親去勢LW・D交雑去勢豚18頭を供試豚として用いた.市販配合飼料を給与する対照区と,バレイショデンプン粕を主体としたEFSを配合飼料に乾物の10%(10%EFS区)または20%(20%EFS区)代替混合した飼料を給与する計3試験区を設けた.体重が110kgを超えた時点で屠畜し,枝肉成績,肉質を調査した.飼料摂取量は対照区に比べ,20%EFS区が少なかった(P<0.05)が,日増体量に差は認められなかった.肉質と筋間脂肪の脂肪酸組成には処理間で差はなかったが,皮下脂肪の脂肪酸組成において,10%EFS区および20%EFS区のC14:0とC16:1割合は対照区より高く(P<0.05),10%区のC18:0割合は対照区より低い値を示した(P<0.05).以上の結果から,バレイショデンプン粕を主体としたEFSは,配合飼料の一部を代替できると考えられた.

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© 2015 公益社団法人 日本畜産学会
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