看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
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ISSN-L : 2188-4323
原著
Convolutional neural network を用いた超音波ドプラの信号源を分類するAI モデルの開発と判定精度の評価
佐藤 郁美廣野 悠太甲斐 千遥吉田 皓文西山 博久児玉 直樹笠井 聡
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2025 年 13 巻 p. 75-83

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抄録
 胎児心拍数陣痛図(CTG)で記録される胎児心拍数(FHR)は胎児の健康状態を評価する際に重要だが,まれに母体の心拍数が記録されてしまうという問題がある.そこで本研究では,超音波ドプラ(DUS)信号から胎児由来の信号と胎児以外の信号を助産師と同程度の精度で分類するconvolutional neural network(CNN)モデルを構築し,その有効性の評価を目的とした.データは,単一施設の産婦人科病棟より425 症例のDUS 信号とCTG を収集した.本研究には助産師がラベル付けした526 データの胎児由来の信号と114 データの胎児以外の信号を使用した.1 D-CNN モデルを開発し,分類精度は曲線下面積(AUC)で評価した.結果,AUC は0.928 を達成した.また,1 D-CNN の分類精度は助産師と同程度の範囲内であることが示唆された.よって,本技術はCTG の装着およびCTG の判読支援ツールとしての応用が期待される.

【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→胎児心拍数陣痛図の判読や管理は,助産師の経験に依存しており助産師の負担が大きいためAI で支援したいと考えた.

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→開発したAI が信号源を自動分類することで,助産師の負担を軽減するとともに母児の安全管理にも貢献できる.

3.今後どのような技術が必要になるのか?
→臨床応用へ向けて,リアルタイムで信号源を分類する技術の確立が必要である.
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