抄録
北海道の阿寒湖周辺で生体捕獲したエゾシカを用い,短期飼育における性別と年齢別の飼料摂取量,増体量,飼育成績の差異を検討した.エゾシカは2011年3月に生体捕獲した満1歳の雌鹿6頭と雄鹿3頭,2歳以上(成獣)の雌鹿3頭と雄鹿4頭とし,2011年3-11月に2群で飼育した.飼料は乾草,アルファルファヘイキューブ,ビートパルプ,圧扁トウモロコシ,大豆粕を給与した.総乾物摂取量と体重は9月まで増加し,それ以降は停滞した.成獣雌鹿の増体は,子鹿出産の影響から5-7月に低下し,その後は停滞した.飼育期間中に体重が増加したのは,満1歳の雌雄鹿であった.増体量と日増体量は,満1歳鹿が成獣鹿よりも有意に(P < 0.01)高かった.枝肉重量および正肉重量は,性別では雄鹿が雌鹿より,年齢別では成獣鹿が満1歳鹿より有意に(P < 0.01)高かった.以上のことから,産肉量と増体量は性別と年齢別に大きく影響され,成獣雄鹿は最も高い肉重量を生産し,満1歳の雌鹿と雄鹿は最も高い増体を示した.