2016 年 87 巻 4 号 p. 333-338
本研究では,兵庫県黒毛和種繁殖雌牛集団409個体を供試してレプチン遺伝子内多型の繁殖形質に対する効果を調査した.409頭から16頭を選抜しレプチン遺伝子全翻訳領域の塩基配列決定により多型探索を行った結果,Y7F, R25C, A80Vの3つのアミノ酸置換が同定された.これらについて409頭の遺伝子型判定を行い,統計解析により各多型の繁殖形質に対する効果を調査した.分散分析の結果,Y7FとR25Cはともに分娩間隔との有意な関連が示された(P<0.05).また,両多型の連鎖不平衡係数を算出したところ,非常に強い連鎖不平衡が認められた(r2=0.88).Y7Fは翻訳後にシグナルペプチドとして切断される領域に位置しており,本集団で認められた効果はR25Cとの連鎖によるものである可能性が考えられる.以上の結果より,R25Cは分娩間隔の短縮に向けて有用な選抜マーカーとなりうる可能性が示唆された.