カンショ焼酎粕濃縮液の給与が乳生産および生乳の風味に及ぼす影響を検討するため,これを乾物ベースで0%,10%および20%混合した発酵混合飼料をホルスタイン種泌乳牛4頭に14日間ずつ順に給与した(それぞれ,0%区,10%区および20%区).乳生産量に処理間差はなかったが,20%区の方が0%区および10%区よりも,乾物摂取量および乳脂率が高かった(P<0.05).味覚センサーによる風味評価では,20%区の方が0%区よりも「クリーミーさ」が高かった.官能評価の結果,10%区と0%区生乳の間に有意な風味の差は認められなかったが,20 %区と0%区生乳では風味差の傾向が認められた(P=0.11).以上から,飼料へのカンショ焼酎粕濃縮液10%添加では,生乳の風味への影響はないものと考えられたが,20%添加による風味への影響は,乳期進行の影響も考えられ明らかにできなかった.