2018 年 89 巻 1 号 p. 29-36
豆腐粕サイレージを活用した飼料用米サイレージ調製の可能性を検討するため,実験室規模,および実規模での調製実験を試みた.実験室規模では,飼料用米に豆腐粕を25%,50%混合,豆腐粕サイレージを25%混合,実規模においても同じ混合割合のものを調製した.これらを約1-2ヵ月貯蔵し,発酵品質を解析した.実験室規模では,どのサイレージも良好な発酵品質を保っていた.なお,豆腐粕サイレージを混合したものは,乳酸菌添加の有無による発酵品質に有意な差が認められなかった.実規模では,豆腐粕サイレージを添加した場合のみ上下ともにpHが4を下回り,乳酸濃度も1.5%を超えるなど良好なものであった.また,粗タンパク質含量が9%以上であった.以上から,飼料用米サイレージ調製副資材としての豆腐粕サイレージの利用は,水分調整用の水や,乳酸菌添加が不要になる他,上部発酵が良好になるとともにタンパク含量を増加させる有効な調製方法と考えられる.