2020 年 76 巻 5 号 p. I_327-I_334
沖縄地方ではサトウキビ栽培圃場の過度の土壌侵食が問題であり,沿岸域へ流入した濁水はサンゴなどの水域生態系に多大な負の影響を与えている.本研究では,沖縄県のサトウキビ栽培圃場の土砂流出量の予測や侵食抑制対策の検討に資するため,Water Erosion Prediction Project (WEPP)を用いた土砂流出量の解析を行った.はじめに,土壌の受食性に関する係数の設定方法別にWEPPの計算精度を検証した.この結果から,室内試験で同定した係数による計算の高い精度が示された.続いて,栽培方法と地形条件別に複数の土壌でWEPPの解析を行った.栽培方法別の解析では,夏植え,春植え,株出し栽培の順に土砂流出量が多く,侵食が生じやすい時期やその要因が示された.地形条件別の解析では,斜面や傾斜が大きい地形ほど土砂流出量が大きく,この応答の大きさは土壌ごとに異なることが示された.