日本短角種の去勢牛(14頭)と経産牛(10頭)との間における塩漬された半膜様筋および腓腹筋の理化学特性およびテクスチャー特性の比較を行った.塩漬は100gの筋肉サンプルに6gのNaClを添加して3日間行った.テクスチャーの測定は筋肉サンプルの表面から5mmで行った.a*値の測定は表面,表面から5mm(浅部),および表面から16.7mm(深部)で行った.また,粗脂肪含量,水分含量,およびドリップロスの測定を行った.塩漬前,塩漬後の浅部,および塩漬後の深部のa*値は,両筋肉において去勢牛に比較して経産牛が有意に低かった.半膜様筋の塩漬前の凝集性は,去勢牛が経産牛に比較して有意に高く,半膜様筋の塩漬後の付着性は,経産牛が去勢牛に比較して有意に高かった.腓腹筋のドリップロスは,経産牛が去勢牛に比較して有意に低かった.