2020 年 91 巻 3 号 p. 233-239
野生シカ食肉処理施設の現状と課題を把握するために,2013年と2018年に郵送法による調査を実施した.経営状況の自己評価(1:とても悪い~5:とても良い)は,2.58±0.16(2013年),2.51±0.17(2018年)と低かった.経営の問題点は,「買い手がいない」58.5%(2013年),48.8%(2018年)が最も多く,「悪い」「良い」経営別では,シカの1日当たり処理頭数で,「良い」経営が12.3±3.5頭で,「悪い」の5.7±0.9頭に対して有意に多かった.背ロースとモモ肉の価格は,経営状況別に有意差はなかったが,設定価格の採算性評価では,「良い」経営は,「取れている」が72.7%で,「悪い」の4.0%との間に有意差が見られた.経営の問題点は,「悪い」経営では,「採算が取れない」,「買い手がいない」,「施設の維持費が高い」が多く,設備費等の経費の高さが問題であることを伺わせた.