2020 年 91 巻 3 号 p. 300-303
動物全般の応用科学である畜産学は,家畜の生産に限定されずに,動物生命科学として生物学・生理学・栄養学・医学・遺伝学・発生生物学などの多様な学問領域と連関している広汎な学問である.その中で,動物生殖生物学は,ノーベル生理学・医学賞と関連性が深い研究成果をあげている学問となっている.この解説では,我々が進めているマンモス復活プロジェクト研究の一環として2019年に発表した論文内容を紹介するとともに,ノーベル生理学・医学賞の成果において生殖生物学と関連する研究の歴史を「事象のラセン的発展」モデルから眺めることで,将来の動物生殖生物学について展望する.