日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
一般論文(原著)
比の形質を一定にして構成形質を増加させる選抜における遺伝的改良量:乳脂率の選抜による一例
矢崎 夏実上本 吉伸小川 伸一郎佐藤 正寛
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 92 巻 1 号 p. 35-39

詳細
抄録

分母および分子の形質(構成形質)で構成された比の形質を対象に,比の形質を一定に保ちつつ構成形質を改良する制限付き選抜法について,乳脂率を例に検討した.モンテ・カルロ法によるコンピュータシミュレーションにより乳量および乳脂量相当のデータを発生させた.このデータから遺伝的パラメーターを推定し,選抜シミュレーションに用いた.選抜における相対希望改良量は,①乳量および乳脂量を1 : 0.038,②乳量および乳脂率を1 : 0,③乳脂量および乳脂率を1 : 0の3通りとした.乳脂率が最も変化しなかった選抜法は①であった.②および③では,構成形質の遺伝的改良量の比が3.8%よりも相対希望改良量を設定した構成形質(選抜形質)を改良する方向に偏った.以上の結果から,比の形質を一定に保ちつつ構成形質を改良する制限付き選抜では,比の形質ではなくその構成形質を選抜形質に用いるべきであることが示唆された.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 日本畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top