日本畜産学会報
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一般論文(原著)
接触型電極を用いたインピーダンス測定による塩漬中の牛肉のテクスチャー特性,ドリップロス,および塩漬の程度の非破壊推定
横田 朋佳福田 智歩金谷 圭太渡辺 亮平村元 隆行
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2021 年 92 巻 1 号 p. 71-74

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抄録

接触型電極でインピーダンスを測定することで,塩漬中の日本短角種去勢牛(n=5)の上腕三頭筋のテクスチャー特性,ドリップロス,および塩漬の程度を非破壊的に推定する方法を検討した.牛肉に重量当たり6%(w/w)のNaClを添加し,10から60分間の塩漬を行った後,テクスチャー特性,ドリップロスおよびインピーダンスを測定した.その結果,テクスチャー特性およびドリップロスには塩漬時間による有意な差は認められなかった.インピーダンスは,1Hzでは塩漬前が塩漬10分に比較して有意に高かったが,それ以降では塩漬時間による有意な差は認められなかった.一方,120Hzおよび100kHzでは,塩漬前が塩漬10分に比較して有意に高く,塩漬10分から30分の間には有意な差が認められなかった.さらに,塩漬10分が塩漬40分から60分に比較して有意に高かったが,塩漬40分から60分の間には塩漬時間による有意な差は認められなかった.本研究の結果から,接触型電極を用いたインピーダンス測定により,Na+の浸透の程度から推察される塩漬の程度を非破壊的に推定できる可能性が示された.

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